Biography

1986 年東京生まれの澤田将哉は、多摩美術大学在学中に金属工芸、中でも鍛金に興味を持ち、大学院を修了する2014 年まで縮尺表現に関する研究を続けてきた。しかし、単に創作表現を行い、展示発表を行うだけでは、社会との繋がりを築くことが困難であると考えるようになった。学校で学び、創作研究を行ってきた澤田は、社会との繋がりを得る1つの手段が“美術教育”に携わることなのではないかと考え、2016 年から国立新美術館でエデュケーターとして働き始めた。アーティストワークショップの企画、ジュニアガイドの作成などを手がける中で、社会における美術作品の役割について考える機会が次第に多くなった。
 近年取り組む《air》シリーズ(2017-)では、人と作品の関係をどのように測るかについて探究している。ここでいうair とは、無色・無臭・透明の混合気体のことではなく、雰囲気や間といった五感で感じ取る場の状況を指している。自作《air no.2_my body scale》(2018)では、古代ローマ時代の建築家ウィトルウィウスの「建築論」の記述を参照し、澤田自身の身体を計測した数値に基づいて彫刻作品を制作した。本作は、澤田が空間を把握するための規準を、彼自身の身体尺を手がかりにして探り出そうとした事跡なのである。このように、身の回りの空間を把握するための手立てやその仕組みを作品として記録することは、幼少期から彼自身が行ってきた、壊れた機械を分解し、その仕組みを考えるという習慣の延長線上にある行為と言える。
 また、澤田が作品に用いている鉄は、製造過程で出来る黒い酸化膜に覆われており、その酸化膜は鉄と空気を遮る壁のような役割を果たしている。澤田の作品において、視覚的に重厚で静かな抵抗感を秘めた鉄の存在は、時として空間を測る「ものさし」としての側面を私たちに見せようとしている。

current job

国立新美術館

学芸課 研究補佐員

多摩美術大学

​非常勤講師

Skills

鍛金

鉄鍛冶

造型教育

美術館教育普及

2010 - present
2010 - present

© 2016 Masaya Sawada