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 Gigantism and Microtism 

澤田の≪ギガンティズムとミクロティズム≫は、モチーフを選ぶ際に、“可動する工具” を第一の基準としている。本シリーズで問題となるのは、物理的な制約、特に“重量” の問題である。工具を小さく作ることは、細かいが故の作業性の大変さを除けば、多少の誤差があっても可動させることが可能である。しかし、工具を巨大化し、同時に動かすとなれば、単に図面通りに巨大化すればいいというわけにはいかない。なぜなら、巨大になることで重くなり、部品と部品の間に発生する“摩擦” や“抵抗”の量が劇的に増すからである。図面通りにモチーフとなる工具の制作手順で巨大化した工具は、常識的に考えると、物理的な制約により、人力で動かすことなど到底不可能である。澤田の作品の場合は、巨大化させたとしても、人力で動かすことが出来るため、現実的な問題を越えて、鑑賞者が面白いと率直に感じることが可能となる。したがって、モチーフとなる工具が、人力で動かすべき物であるにも関わらず、モーターなど機械の力を借りないと動かせないようでは、作品

の魅力が半減してしまう。
 本シリーズ最初の作品となったのが、自作≪ギガンティズムとミクロティズム- モンキーレンチの場合-≫である。本作のモチーフは「モンキーレンチ」と呼ばれる工具である。数ある工具の中からモンキーレンチを選択した理由は、可動すること。そして、モンキーレンチのように、一般の人にも知名度の高い工具を巨大化することにより、“縮尺表現” が一層際立つのではないかと考えたためである。知名度があるということは、既にその工具(モンキーレンチ)を知っているということになる。つまり、モンキーレンチを見た時に何に使う工具なのだろうと、考える行為に阻まれることなく、モンキーレンチの巨大化した姿に対して、率直に驚くことができると考えた。そのような理由から、明快に作品の面白さを伝えられるモチーフであると考えている。

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© 2016 Masaya Sawada