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 caravan 

昨今においては、使われていない部屋を貸す「民泊」や快適な空間とコミュニティを提供する「コ・ワーキングスペース」など、空間をシェアし使いこなすサービスが次々と生まれている。こうしたサービスが普及している背景には、社会が物を所有することよりも「物が実現してくれる事」に豊かさを見出すようになりつつあることがあるように思えてならない。まちなかにある空間を上手く使いこなしながら、これまでにない時代の到来に応じて、パブリックスペースの活用方法を見直す時期が訪れているとも言えるのではないか。

 芸術の分野に着目してみると、参加型アートという形式の場づくりが試みられているが、芸術祭やアートプロジェクトといった一過性のイベントの中で行われることが多く、必ずしも継続して交流の場が用意されている訳ではない。

 本作《caravan》シリーズは、まるで街中でアイスクリームを販売するケータリングカーのように、空き地を利用してアーティストやクリエイターの

アイデアや方法論を社会の中に解放し、転々と移動しながら人々との交流を続けていく中で、新たな知見や再認識といった気づきを繋げていく。本シリーズは、従来の玄人/素人、表現者/鑑賞者といった二分化された自己定位を超え、人と人を繋ぐ啓発装置として、さらには移動する共創の場として、芸術活動を行う場所に対して揺さぶりをかける試みである。 

 そもそも、caravanとは、ペルシア語カールバーン(kārvān)に由来し,隊商を意味している。本来は砂漠地方で見られる商人たちの一団のことを指す言葉だが、らくだの背に荷物を積んで移動する姿から転じて、今日では中の様子が見えないような幕や幌がついている馬車のことや、トレーラーハウスや、牽引するタイプの移動型の住宅を指すようになった。

caravan no,2_Co-Creation Space (1/6 scale maquette))
caravan no,2_Co-Creation Space (1/6 scale maquette))
caravan no,2_Co-Creation Space (1/6 scale maquette))
caravan no.1_WorkShop Wagon

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